「茶」の文字

皆さんは、東名高速道路や東海道新幹線で掛川付近を通過するとき、山肌に「茶」の文字を見たことがありませんか?
先日、標高532mの粟ヶ岳に登ってきました。茶畑を眺めながら登山道を登っていきましたが、気になったのは、きれいに剪定された茶畑(写真①)と同じくらい、もしかしたらそれ以上に、伸び放題になった茶の木が目についたことです。栽培されなくなった茶畑(写真②)なのでしょうか。
ちょうど白い花(写真③)がたくさん咲いていました。



山頂からは、掛川の街や静岡空港、その先の太平洋、伊豆半島、富士山を望むことができます。天気にも恵まれ、素晴らしい眺めでした。
下りは、「茶」の文字の近くを通るというので、車道を歩いて帰りました。しばらく行くと案内看板(写真④)があり、左手に「茶」の字の上部にある「くさかんむり」の部分が見えることが示されていました。近くで見ると、こんな感じに見えます(写真⑤)。


ところで皆さん、「茶」の文字を形づくっている木は何だと思いますか?
私は当然、お茶の木だと思い込んでいました。ところが、違うんです。
「茶」の文字は、今から90年以上も前の昭和7年(1932年)、地域の人たちがお茶のPRと観光に役立てようと作ったそうです。
最初は松の木を植えました。当時は携帯電話もトランシーバーもありません。白い紙をつけた縄を人が持って並び、向かいの山から形を確認しながら、手旗信号で合図を送って調整したそうです。すごいですよね。
文字の大きさは130m四方、斜面の平均勾配は37度(ちなみに、スキージャンプ台の最大斜度は約35度)。大変な作業だったことでしょう。
残念ながら、最初に植えられた松の木は昭和60年(1985年)にマツクイムシの被害に遭い、ヒノキに植え替えられました。その数は約1,000本だそうです。
登山道からは文字の一部しか見られませんが(写真⑤)、近くで見ると見上げるほどの高さで、確かにお茶の木ではありませんでした。
<メモ>
茶の学名 | Camellia sinensis |
分類 | ツバキ科ツバキ属 永年常緑樹 |
茶の種類 | 中国種(葉が小さい灌木 寒さに強い) アッサム種(葉が大きい喬木 寒さに弱い)(両種間で雑種ができる) |
茶の歴史 | もっとも古いお茶の史実。BC3000年 中国本草学の祖 神農帝が解毒薬として用いたと言われている。日本に伝わったのは、遣唐使の僧侶たちによる。815年嵯峨天皇にお茶煎じた。 日常的飲まれるようになるのは鎌倉時代、中国の宋に留学した栄西が1191年、新しい茶種と抹茶法を持ち帰った。栄西はお茶の栽培を普及させ、お茶を長寿の薬として「喫茶養生記」を著した。 |
茶の原産地 | 諸説あるが、中国西南地域 雲南地方から四川地方にかけての丘陵部が有力。この地方に茶樹の巨木が分布。一方は海を渡って日本へ。一方はインド、東南アジアの国々へ。 |
製法により | 紅茶:生葉を発酵させる(酸化酵素反応)原料はアッサム種 緑茶:不発酵 原料は中国種 ウーロン茶:半発酵 |
お茶の花と実(拡大率は不同)






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